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インソムニア.

第18章 チャンスを待つ者





暫くすると、


朧車はゆっくりと止まった。






九尾
「着いたぞ。」







美菜
「……ッ…あっ…はっ、はい!!」






朝が早かったからうっかり、

うとうと寝てしまっていた私を九尾が肩にそっと触れ起こしてくれた。






九尾
「………」







美菜
「 (;´д`)あははっ… す、すみません…」







(うわー、絶対にひかれた…絶対にドン引きされてる……)







穴があったら隠れたい…

そんな恥ずかしい気持ちを押し殺し九尾の後ろについて歩いて行くと…

とても立派な屋敷にたどり着いた。







九尾
「ここは…妖界の外れの外れの里…

お前が良からぬ妖怪に襲われる心配いは無いから、

気分転換に散歩など好きにしたら良い。」







美菜
「(´・ω・`)」

(とは言いますが…赤月の元では山中の散歩は恐怖でしかありません……)








九尾
「ん?どうした?」







美菜
「いぇ…お気遣いありがとうございます。

わたくし…狐歌さまのお気遣いに大変…感激しておりました…」








慣れない丁寧語にサブイボがたつ。








九尾
「……」







(出た!無言…

絶対にドン引きされてる(;´д`))








ネズ魔
「奥様、奥様…」







とそのとき…、


九尾のお供のネズ魔さんが小さな声で話しかけてきた。







ネズ魔
「…お口をお開きにならないでください。

奥様はただ、返事をお返しになれば良いのです…

奥様が話されると屋敷の者共に九尾様が馬鹿にされてしまいますゆえ。」








(ですよね…)







私は、そっと頷いた。











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