第5章 張り詰めた縁
母犬
「うちの末吉は、
今まで沢山の人間を、
ちょっとしたイタズラで亡き者にしてきましたが…
まだ幼くて…良い悪いの判断が出来ないだけなんです。」
(イタズラで亡き者!!?)
ビックリして末吉くんの方をを見ると、
そこには
普通の柴犬の仔犬…
すっごくモフモフで可愛らしい末吉くんが首を可愛くかしげながら、
私と母犬の話を聞いていた。
母犬
「だけど…本当はこの子はとても優しいんですよ?
母ちゃんだから分かるんです…
だから最近はずっと親離れさせたいと思っていたんです…
だけど…
この子を1匹で野に離せば…私達家族が逆恨みされて殺されそうですし…
明日には妖怪新聞の…
表紙一面を飾るような犯罪を犯しかねない気がして怖いんですよ…」
(それは良い子とは……(;´д`)
っていうか末吉って……(汗))
美菜
「 !! 」
さり気なくお母さんの足をみると、
ブルブルと小刻みに震えてる。
(末吉くんどんだけーーー:(;゙゚'ω゚'):)
末吉は、相変わらず私達の会話を聞いて、
すこし舌を出しながら首をかしげている。
(無理無理無理ッーー!
わたし、末吉を預かる自信ない!!)