第3章 忘却とコーヒー
"ガチャ"
ノア
『返してもらうから、この娘💜』
男の子は音もたてずに助手席側に移動したと思ったら
ドアを開け、私を抱き抱えた。
篠原
「返してもらうだと?何を馬鹿な事を…
そいつは、山の神への献上品…生贄だ!!
もはや、人間の物では…」
ノア
『それなら尚更返す意味ないね💜
その山の神って奴が、
この娘をお前から奪還しろって俺に命令したんだから💜』
篠原
「…は?何言ってんだ!!」
(ほんと…何言ってるんだろぅ(;´д`)
私も分からない…)
ノア
『……馬鹿な人間のする事に…ついつい関与しちゃったからさ、
山の神に本気で怒られて…怒鳴られて?
俺…今…けっこー立場ヤバイんだよね?
連れ帰らないと…本気で100年分の寿命持っていかれるわけ💜』
篠原
「お前…なにを言っ……」
ノア
『いいかい?よく聞きな。』
男の子は私を抱きかかえたまま、
車内にいる篠原さんの耳元で囁く。
篠原
「…」
ノア
『俺が立ち去ったら1分以内に車を発進させ、
この登り坂を一気に登り終えるんだ。
じゃないと…分かってるよね?』
今まで男の子から感じる事が無かった"殺気"が車内を包み込む。
( (((((;゚Д゚))))))) )
篠原
「こ…この僕に命令するな!!
おっ…お前は何様なんだよ!!答えろ!!!」
さすがの篠原さんも、
その殺気を感知したようでガタガタ震えている。
ノア
『俺?
俺はね…この山の"昼"の管理人💜』
篠原
「はっ…な…何言って…」
そう言うと男の子は、
私を抱きかかえたまま車から離れ
側にあった太い幹の木のてっぺんに飛び移った。