第15章 雨の降る日
いつからだっただろう…
アイツが俺の中ですごく引っかかった――
「如月先生は新入生の担任か…」
隣のデスクに座るもう1人の体育教師、近藤が話し掛けてきた
「近藤先生そんなに担任狙ってたんですか?」
「いやー、担任ってやっぱりいいもんだよね。生徒の成長が感じられるしさ」
正直、担任に興味が無いしガキ共の成長なんて感じて涙を流すことも無い
本当の俺は無愛想な人間。
でも学校じゃ、誰にでも親しまれる先生でいる
「でもこんな人数の名簿は覚えるのが大変で…」
「あー、分かる。最近の子どもたちは何て読むかわからない子もいるしなー」
「ですよね。本当に驚きますもん」
(っ!…)
クラスの生徒達の詳細が書かれた書類をめくっていく中で目に止まった生徒が1人いた
「高野遥…」
家族関係の欄には叔父、叔母と書かれていた
昔、俺は家族を事故で失くした
何故か俺だけが助かった、血まみれの両親を今でも覚えている
それが時々、フラッシュバックして俺のトラウマになっている
あの交通事故差へなければ…とずっとそれを抱え続けている
「あ、あの…須田先生」
学年主任の須田に聞いた
「この生徒って…」
「あぁ…彼女は両親を事故で亡くされた子だよ。如月先生は生徒と歳も近いし、彼女が話したがるかは分からないけどサポートしてやってほしい」
「そうだったんですね。わかりました!」
俺と同じ、両親を事故で亡くしてる…
きっと愛に飢えてる。俺と同じで