第1章 三角形 case1
祝日、昼時、この条件が揃えばファミレスが混んでいるのは当たり前で。
あまり待たずに席に通されたのは本当に運が良い。
4人掛けの席、京ちゃんと私が並んで座って、私の前に黒尾さん。
メニューを広げて無言の時間がやってくる。
「さくら、どうせいつものパスタでしょ。ドリンクバーとサラダ付けて。」
沈黙を破ったのは私の性格と好みを知っている京ちゃん。
図星だ。
いつも、もう1つくらい気になるものを見付けて、迷ってみるものの、違う物を頼んだ事はない。
「…京ちゃん、ドリア頼まない?半分頂戴。」
これもお決まりのパターン。
京ちゃんは私が迷ったもう片方。
「お姫様には、こういう時でも逆わねーんだな。食べ物までお姫様に決められて良い訳だ?」
私達を見て黒尾さんはまた笑っている。
でも、なんか今までのからかっている時と違う気がして、何も言い返せなかった。