第4章 ‐case2‐endnig.
全国高等学校バレーボール選抜大会。
通称、春高バレー。
それに出場していた彼等は、どんな大人よりも一生懸命で。
私が今まで見てきた同年代の男よりも、格好良かった。
男としての彼等に、ちゃんと本気でぶつかっていく。
そう決めたのに、大会中は話をするチャンスなんか無く…。
ただ、試合を眺め続けているだけで終わり、宮城に帰ってきてしまった。
大会の直後は、先輩の引退とか引き継ぎで忙しいようで。
夕くんからは連絡があるけれど、会う事は出来ずに日々を過ごす。
メッセージはやり取りしていたけれど、電話はした事がないから掛ける勇気が持てなくて。
声は聞けずに、文字だけの繋がりしかなくなっていくのが、淋しくて仕方がなかった。
どうにか2人と会える方法を考えても、何も思い浮かばない。
冴子ちゃんに相談しても…。
「それなら、烏野に行ってみりゃいーじゃん。私が連れてってやるよ?」
「それ、迷惑だよ。部活の方、新体制になったばかりで忙しいんでしょう?」
「そんなん考えてたら、何にも進まないっつーの!」
こんな感じで、解決にはならず。
2人に会えないまま、1月が終わって2月に入った。