第12章 連れ攫われた青い花
「ほら、着いた。ここから先は自分でお行き」
ほなっとギンはもと来た道を行ってしまう。私はギンにお礼を行って、深呼吸をして中に一歩踏み出した。
「…………ヤットキタネ。イツマデマタセルツモリナンダ。コチラハトットトシュドウケンヲニギリタイッテノニ。」
中にいたのはアーロニーロと言う破面だった。でも、あたりは暗くて姿は分からない。
「マアイイ。ハナシハアイゼンサマカラキイテル。キニクワナイガホカニホウホウモナイ。ヨロシクタノムヨ。」
「うん。分かった。その間アーロニーロはどうなるの?」
「……今日から七日間この体は俺のものだ。あの破面はその間消えてもらう。」
急に声が変わる。その声の主は私の前に降り立った。
「久しぶりだな、桜花。ってこのセリフは二回目か。」
「………海燕…」
以前と変わらぬ姿がそこにあった。海燕はにこりと微笑んで、
「そしてお前くんのおせーよ!!」
と相変わらずの力で私の頭を殴った。