第1章 2月14日
「あれ、そういえば烈さんは...?」
確か部屋には烈さんと居た筈。
だとしたら烈さんにと泣いてるところ見られちゃってるよね?
その上のけ者みたいな扱いを...!
慌てて周りを見回したが、飲みかけの緑茶があるだけで烈さんの姿はどこにもなかった。
「あいつなら気ィ使って出てったよ。
多分すぐ戻って来るだろ。
感謝しとけ」
「そうだったんだ...」
なんだか申し訳ないことをしてしまった。
「美織、烈のことなんか考えてんな。
俺だけを見ろ」
「み、見てる...!」
星夜さんと付き合ってから、他の人のことを見たことなんかないのに。
「美織」
もう1度名前を呼ばれ、目線を合わせれば唇を塞がれる。
「んっ...」
舌が入り込み、口内を自由に動き回る。
「甘過ぎたから口直し」
ペロリと自身の唇を舐め、口角を上げた。
「ご馳走サマ」
「ど、どう致しまして...」
もう、なんでこの人はこんなに...!