第13章 敵との戦い
黒霧はそれを何とも思っていない様子で淡々と話を進めていく。
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが何か変更があったのでしょうか?」
勿論敵にそんな事を話す義理も無く、皆は臨戦態勢に入る。
「まぁ…それとは関係無く…私の役目は_」
「その前に俺達にやられる事を考えなかったか!?」
黒霧の話を遮り向かっていく切島と爆豪。しかしそれを見ても余裕の態度を崩さない黒霧。それどころか余裕たっぷりに微笑んでいるように見える。
「危ない危ない……そう…生徒と言えど優秀な金の卵。なら、これでどうでしょう」
向かって来る二人の目の前に“ある者”を突き出す。それは__
「なっ!?」
「暁さん!?」
それは昼休みに姿を消した生徒…八雲暁だった。頭(こうべ)を垂れてぐったりとしている事から、意識が無いことが見て取れる。
「暁!!あっぶね…」
「ダメだ、どきなさい二人とも!」
投げつけられた暁を慌てて抱き留める切島。パッと見て怪我をしていない事に安堵するが、その隙を逃す敵ではない。
暁に気を取られている隙に黒い霧が生徒達を取り囲む。
「私の役目は、貴方達を散らして_嬲り殺す」