第11章 学級委員長の座は誰に!?
_雄英高校の門の前にて
「平和の象徴が教師をやっているというのは本当ですか!?」
「オールマイトに直接お話伺いたいのですが!!」
『…凄いね、流石オールマイトと言ったところかな』
「あぁ…全く騒々(そうぞう)しい」
オールマイトが雄英高校で教師を務めるというニュースはあっという間に広まり、雄英高校には沢山の記者達が押し寄せて来ていた。
暁は登校時間が被った常闇と共に、少し離れた場所で様子を見ていた。普通なら百も一緒なのだが、朝食を食べている間に先に行ってしまった。もう登校したのだろうか。
『(常闇君、うるさい所が嫌いなのかな?)』
昨日、出久君に群がる人達や注意してきた天哉君に対して使っていた言葉を思い出す。
隣を見ると、常闇君は騒ぐ記者達を訝しげに睨んでいる。騒がしい所も嫌いのようだ。
『常闇君、記者さん達も仕事で来てるんだから、そんな目で見つめなくても…』
「別に記者が嫌いな訳ではない。後にオールマイトが記者会見などの場を設(もう)けるのだから、それまで待てばよいものを…何も学校まで押し寄せる事はないだろう。あれでは皆に迷惑だ」
『あー…(フォロー出来ないな、正論だし)』
イライラが溜まっているのか饒舌(じょうぜつ)に喋る常闇君。早く引いてくれないかな、記者の人達。
そんな事を思っていると、クラスメイト達が無理矢理通ろうとしているのが見えた。
『出久君、お茶子に天哉君だ。皆インタビュー受けてる…』
教師をしている時のオールマイトについて聞かれているらしい。出久君は焦りまくり、お茶子は独特な感想が聞こえる。天哉君に関しては真面目に答えているが、手の動きが気になる。
『あっ、勝己君も絡まれてる』
記者の人に「ヘドロの…」と言われてキレかけている。理性保(たも)ってね。
『記者達が引くまで教室に行けそうにないね…インタビューは受けたくないし、あの人混みに突っ込みたくないし』
「同感だ」
人混みが苦手なのは常闇君も一緒らしい。
『(昨日の授業の復習でもしとこうかな)』
鞄から教科書を取り出し、昨日やったページを開く。
特に難関な所も無いので、注意されたポイントを重点的に読んでいると、常闇君から質問を受けた。