第4章 夢の中で
《貴女は今、全ての滅竜魔法が使えるようになっています》
『…えっ?』
今、彼女は何と言った?
《「どうにか一緒に連れていけないか」と言われ、困り果てていたのですが、「それなら俺達の力をあいつに貸してやりゃあいいんじゃねぇか」とラクサスから提案を頂きまして》
『ラクサスがそんな事を…』
《彼なりに貴女の事を心配していた様ですよ。バトルオブフェアリーテイルの時の事も気にしていたみたいですし》
あの時は大変だったなぁ…なんせ神鳴殿(かみなりでん)全部壊した時のカウンターが凄くて、ファンタジアに参加できないくらい重傷だったし。
『全部って事は、私の水竜の他に、火竜や鉄竜、天竜に聖竜と影竜ですか?』
《もちろん雷竜と毒竜、それにゴッドセレナの風竜もいますよ。他にもいろんな竜の魔法を詰め込んでおいたので、自分で見てみて下さいね。きっと驚きますよ》
『驚くを通り越して恐怖が出てきますよ』
私の体の中にあるリヴァイアサンから貰った魔水晶(ラクリマ)には、皆の魔法が込められているのか…。そっと胸の辺りに手をやってみる。
《フェアリーテイルの三大魔法も、貴女に託します》
『え…』
メイビスはイタズラっぽく微笑む。
《【妖精の法律(フェアリーロウ)】、【妖精の輝き(フェアリーグリッター)】、【妖精の球(フェアリースフィア)】。これらを全て貴女に授けましょう。貴女ならきっと使いこなせます》
『ありがとう、ございます…』
メイビスが私に向かって両手をかざすと、私の右腕にはフェアリーテイルのギルドマークを模した紋様が浮かび上がってくる。
『大魔闘演武の時以来ですね、これを見るのは』
《三つ全て扱えるのは、もう私と貴女しかいませんね》
《さて、後もう一つの件です》