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隣の彼は目つきが悪い【弱虫ペダル】

第2章 break time①


皆さん、こんにちは!岩元佳奈です。
私は、図書委員として充実した日々を送っています。
特に、本の貸出係は、本についたバーコードをピッと読み取るとってもカッコいい係なのです!
あのピッという音、、!快感ですよねー。
このピッというのがやりたくて、図書委員になったのですが、、、。
なぜか、私が係の日は本の貸出が無いのです!!
図書室にはこんなに人がいるというのに、、、
皆、本を借りないものなのでしょうか?


「なぁなぁ、あの貸出係の女子、ちょっと可愛くね?」
「確かに!あの眼鏡はダサいけど、小さくてほわーんとして!」
「本、借りに行こーぜー!」
「おぅ!行こう行こう!」


「これっ!お願いしゃーす!!」

やっと!やっと!!本を借りてくれる人が現れました!
「はい!ええと貸出し期間は、、、」
「それよりさー、君、何年生?」
「あ、あのっ、、」
「いつも図書室にいるの?」
「えっと、いえ。これは交代で、、、」
どうしよう、困りました。話を聞いてくれません。
「ウォッホン!!」
隣を見ると沙織ちゃんがいました。
「あっ!沙織ちゃん!」
「よっ!、、、ところで、この本を借りるんですよねー。貸出し期間はどうします?クラスと名前は??」
「ヒッ!」
ここからは沙織ちゃんの顔はよく見えないのですが、代わりに色々と聞いてくれているみたいです。
「え、えーっと、今回はやめておきますっ!!」
でも男子学生は慌てて図書室から出ていってしまいました。
「あっ、あのっ、待って!」
何やら急ぎの用があったのでしょうか?
それにしても、また貸出の仕事ができませんでした。
しかし、落ち込んでも仕方ないですね!
いつかあのピッ!ができるようにちゃんとしなければ!!

エイエイオー!!


気合を入れる佳奈だったが、その時図書室にいた生徒達は佳奈の後ろに控える沙織を見てこう思っていた。
「般若だ、般若がいる!」
「あれ、今、鬼が見えたような、、、」
「今日は本を借りるのやめておこう、、、かな」


よおしっ!沙織ちゃんという接客のプロが付いているし、次こそ頑張らなきゃっ!

「また色々教えてね、沙織ちゃん!」
「おぅ!任せとけっ!」

この後、図書室に出る鬼の噂は広がり広がって箱根学園七不思議の1つになったそうな。


おわり
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