第14章 【一氏】アホちゃうか
「一氏先輩っ!」
「ウザイ。」
「…大好きです!」
「俺は小春一筋や。」
一年の菊田っちゅーやつは、しつこいほどに纏わり付いてくる。
朝、休み時間、昼、夕…
いい加減ウザイっちゅーねん。
女の子やからって、しつこくしてえぇなんてルールないやろ?
小春が好きな俺にとって、菊田は邪魔な存在やった。
「酷いです…」
「…おー、菊田。付き合いたかったら、**川に落としてもーたバンダナ探して来てくれへん?それが見つかったら付き合ってもえぇわ。」
「…んー…わかりました!」
いつもの嘘。
毎年菊田みたいに纏わり付いてくる奴が必ずおんねん。
せやから、嘘つくんや。
そうすると見つからないから諦めるゆーて探すん止めて俺んこと諦めてくれるから楽なんやて。
どうせこいつも諦める。