第13章 【鳳甘】跡部部長への秘密
「あ、跡部結菜です。よろしくお願いします。」
「うん、よろしく。俺は鳳長太郎。まずは部室の中を案内するね。」
勢いよく頭を下げる結菜ちゃんは、見ていてとても微笑ましい。
そもそも、なんでレギュラーの俺がマネージャーの指導をすることに なったのか。
それは跡部部長が”シスコン”だから。
((大切な俺様の妹に変な虫がつかないように鳳が見張っておけ))
とのこと。
まったく、跡部部長にも可愛いところがあるんですね。
「で、ここがトレーニングルーム。こっちがミーティングルームで…」
「…はい。ありがとうございました。」
「いいえ、次はドリンクを作ろうか。道具はここにあるから、無理しないで運ぶんだよ??」
「わかりました。」
説明していて結構分かったことがある。
結菜ちゃんは、跡部部長に似ている。
特に髪の色と努力家なところ。
違うところといえば、
跡部部長はプライドがあるからか、努力しているところをみんなに見せない。
だけど、結菜ちゃんは強いプライドもなく、とても素直。
跡部部長には言えないけど、俺は少し結菜ちゃんにひかれつつある。