• テキストサイズ

テニスの王子様【短編集裏なし】

第12章 【柳狂愛】いつから


高校生二年生の夏。
首輪に繋がれた鎖、その音だけが部屋に響いた。

―ガチャッ

帰ってきた。

扉の音は、
寂しいような
嬉しいような
そんな不思議な気持ちにさせる。

「蓮二、おかえり。」

「あぁ。寂しかったか?」

「…うん、すごく。」

鎖の長さは家の中を動き回れる程度だった。
私はいつも、ソファで蓮二の帰りを待つ。

ねぇ、蓮二?
私も女の子なんだよ?

ねぇ、蓮二?
勉強したいよ。

ねぇ、蓮二?
友達に会いたいよ。

ねぇ、蓮二?
外にでたいよ。

ねぇ、蓮二?
デート、したいよ。

…そんなこと、捕われの身の私が言えるわけもなく、

ただポツリと言葉を零した。

「学校、行きたいな…」
/ 91ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp