第12章 【柳狂愛】いつから
いつから彼は狂ってしまったのだろうか…
歪んだ愛。
こんな愛は要らない…
高校生になった最初の春、
私は彼と付き合い始めた。
理知的で、
綺麗な微笑みを見せ、
データマンで、
優しい彼。
柳蓮二は完璧な人だと思っていた。
高校生になって最初の夏、
両親が事故で亡くなった。
祖父母も亡くなっていて、親と親戚との仲が悪かったため、
私は住むところがなくなってしまった。
どこに行けばいいのか
なにもわからなくて、
混乱状態の私は蓮二に告げた。
"別れよう"
と。
けど、蓮二は言ってくれた。
"家に来い"
と。
一人暮らしを始めたばかりの蓮二は、調度一人が寂しかったところだと、
私のことを暖かく迎え入れてくれた。
すごく安心した空間だと思った。
けど、
今思うとその安心した空間に、
蓮二の優しさに、
騙されていたのかもしれない。
私の過ちは、
ここから始まっていたのかもしれない…