第7章 【桜色】UA チームカンファレンス
時を遡ること約半日前
下校していく生徒たちの中に
見知った亜麻色を見つけ、女は歩を止めた。
ずっと実の妹の様に可愛がってきた娘の髪色を
見間違うはずがない。
声を掛けようとしてふと気づく、
娘の手を引く男子生徒の姿には覚えがあった。
雄英教師なら推薦入学者の名と容姿くらい知ってて当たり前、新入生なら尚更だ。
「ハン…」
要らぬところまで察した女は、含んだ笑みを漏らし
すぐさま踵を返す。
向かうは職員室だ、
これを報告せずしていられようか?
答えは否。
扉を開けて目的の男を目に留めると
丁度良い感じにメンバーが揃っているではないか。
クスリと一つ笑い
高いヒールを鳴らし、長い黒髪を靡かせながらその集団へと近づいた女の第一声は、短い議論の幕開けとなった…。