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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第6章 【桜色】物言えぬ処方箋


~Sideハイリ~


これ以上の最悪な状況はもう来ないだろう。

たまたま知り合った子がこのクラスで
そこに昔からの知り合いがいた
そこに昨日知り合ったばかりの人が入って来て
係わらない方がいい、そう思っていた人に絡まれた。

事もあろうかその人は
睡眠不足に過度な生理的疲労。
こうして普通に登校できているのは
日ごろの鍛錬の賜物だろう。

だからと言って
見つけてしまったからには放っとけない。

そう思って口を出した結果
A組ほぼ全体を巻き込んでの騒動を起こしてしまった。

後半は自業自得とは言え
不運と言う不運をここ十数分で使い果たした
そう言っても過言でない程の不運の連続。

轟くんが口を出さないでいてくれているのが唯一の救いだ。

なのに











「お前は何故…普通科に居る?」











気付いたのは声を掛けられるより前だった。
メガネを外したにも拘らず、診ることが出来ない…
もちろんこの声にも覚えはあった。

振り返れるはずもない
3年間、この人だけは避けなければと
心に決めていたというのに……

諦めたのは“個性”を消されたからではなく
次の言葉に「もう無理だ」と悟ったから。


「再三の連絡を見事に無視しておいて
よく俺のクラスに顔を出せたものだよ、
なぁ…ハイリ?」


平穏無事な3年間がガラガラと音をたてて崩れていく。
その音を聞きながら、静かに振り返っていつもとは違う名をあえて呼ぶ。


「お久しぶりです、相澤……先生。」


静まり返っていた教室内が騒然として
その視線が全て注がれているのがわかる。


それでも、
こうなってしまったからには
この人から目を逸らすことは出来ない。










相澤 消太
ヒーロー名 イレイザー・ヘッド

“個性” 抹消












何かと私に甘い雄英教師陣の中で唯一厳しい男。
そして私の普通科への進学を最も快く思ってない男。


(まさかこのクラスの担任だったなんて……。)


いつもの無気力な目は開かれたまま、口端がニィと上がる。
平穏な女子高生ライフに別れを告げた瞬間だった。





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