第39章 ♦番外編♦ はにーホリック
「帰るか。」
「うん!」
やられてばかりがお前じゃねぇ
受け身ばかりのお前じゃねぇ
一つ与えたら倍にして
物足りねぇなら二乗してでも返してくる
遊びも
密事も
愛情も
人気のすっかりなくなった夜の廊下
今宵の月は血のように赤い
ブラッディムーン
「焦凍似合うね!カッコイイ!!」
無邪気に笑うお前にゃ申し訳ねぇが
俺もそう簡単にやられるつもりはねぇ
「オマエの方がよっぽどに合ってる、が――……」
釘をさす所は
きっちり刺して置かねぇと
なんせコイツにゃ自覚がねぇ
追いかけられてた理由も
どうせ
『お菓子をあげなかったから?』
とかその辺だろ…
何度確かめても足りやしねぇ
オマエの蜜を味わっていいのは俺だけだ
楽になったと髪を梳く
緩やかなウェーブをかき上げながら振り返る
その細い腕を引き
耳元で囁いた
「…――今後こういう格好は俺の前以外ですんじゃねぇ。」
はにーホリック END