第14章 【琥珀色】後天性片想い
~Side轟~
これも、独占欲だと自惚れて良いんだろうか。
ならばもう、バラしても構わねぇんだろうか。
ハイリは俺と違って自分を押し殺すのが上手すぎて、本音が分かりにくい。
自分の時と違い過ぎる表現を同じ感情で括るには、俺はまだ経験値が低すぎる。
そんなことを頭の隅で考える自分がいた。
「どうもこも、忘れた。」
「えぇぇぇ…忘れたって絶対嘘だ。」
「嘘じゃねぇ。」
俺の言葉に見下ろすハイリの瞳が
見る見るデカくなっていく。
信じられないと、はっきり書いてあるが知ったこっちゃねぇ。
ただ分かったことは
(これは長くなるパターンだな。)
それだけだった。
こんな事がわかる辺り
コイツとの仲も深くなってるんだろう。
今言ったらハイリはキレちまうんだろうが…。
チラと見上げたハイリの顔は
丸い目を吊り上げて見るからに説教モードだ。
「大体焦凍はね、ちょっと鈍すぎるんだよ!
事実モテてるんだからそこは認めてよ!
お陰で話したいのに話せない事がいっぱいなんだよ!?」
「……わりィ。」
何を認めろってんだ。
正直、悪いなんて思っちゃいねぇ…。
だがここは謝っとくべきだと本能の言うままに詫びる。
(可愛い…。)
頭ン中はもう、半泣きでキャンキャン吠えるハイリで一杯だ。
怖いどころか可愛くてしょうがねぇ。
「悪いって思ってないでしょ!」
「思ってねぇ…。」
「開き直らないで!!」
こんな調子でここからこの体制のまま
1時間に渡る説教が始まる訳なんだが…
出てくる可愛い文句は全て喰らってやった。