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【ヒロアカ】UAシンドローム【轟焦凍R18】

第14章 【琥珀色】後天性片想い


~Sideハイリ~


あの日、あの勝負の後
私の手を引いて起こしてくれた爆豪くんは
両手をだるそうにあげた割に、大きな声で言った。


『降参だ。』

『…………はい?』


皆に聞こえたのかはわからなかった。
だけど両手を上げれば、流石に見て取れたのだろう。

たちまち皆が押し寄せてきて、
眠気全開の私は「どうして?」と問えないまま
気付いたら全て丸く収まっていた。

圧倒的実力差だった上、
爆豪くんに対しては負けも宣言したのだ。

一番納得できていないのは間違いなく私だ。

なんで皆が納得できるのか
寧ろ疑問で仕方がない。
尋ねてみたけれど、みんな口を揃えて同じことを言う。


「何の問題もない」と。


焦凍に至っては
含み笑いが返ってくるだけ。

こうなってしまっては
もう問いようが無いと言うもので…



(……なんで?)



確かに誰一人除籍される事無く収まった。

事を荒立てて
被害を増やすのもどうかと思う。

だけどなんだろう…?
この形容しがたい空気読め感…。


(大人だな、爆豪くんも皆も。)


同じ歳の子に対して
大人の都合を感じたのは初めてだ。




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