第12章 【桜色】ヨマイヤマイ

～Side轟～


傷を確認する
そう言いながら撫であげたのは
太腿の内側だった。







「っ…どこも痛くないよ…？
大丈夫…っ…」


安心させようとでもしてんのか
それともやんわりと拒絶してんのか

どちらだろうが
止められる自信がねぇ。

欲を満たさんと身体が燃える。

ただハイリ欲しい
今欲しいと
感情を無視して欲が体を支配する。

柔らかな肌は昨夜と変わらず吸い付いてくるようで
滑る指先に触れる違和感はなかった。


「傷は無いみてぇだな？」


スカートの中を弄る手にすら余裕がねぇ。
出来るだけゆっくりと這わせた手も
すぐに中心へと到達する。

自制なんてねぇ
あっても効かねぇ。

もはや、返事すらままならないハイリの声が聞きたくて

クチュリと音をたて
熱で蕩けきったソコへ指を埋めた。


「やっ…あ、」

「すげぇな…トロケきってんぞ…？」


笑い交じりに囁くと
熱い涙を零す瞳がこちらを向いた。
羞恥と快楽に濡れたオンナの顔。

これを見るだけでゾクゾクする。

自然と上がった口角。
そのまま頬を伝う涙を舌で掬えば
身を捩らせながらハイリが縋りついてくる。


「っあ…しょ…とぉ…っ」


甘えるような声は
強請られてるみてぇで安心する。

例えこれが求められてるモンじゃなくても
今コイツの頭ン中には
俺しかいねぇのは確実だ。

腰を抱き寄せ更に深くへと指を埋め込む度に
蜜は指を伝い滴り落ちていく。

顔は逸らしていても
視線はずっと絡めたまま
僅かに開いた唇から漏れる吐息を感じるだけで
果てちまいそうだ。

我慢なんざとっくに通り過ぎてる。

それでも挿れねぇのは
こんなハイリをずっと見ていてぇからだ。

何をしたって決して拒絶しねぇハイリを
試すように攻めては安堵する

今の俺の顔はさぞ、下卑たものだろう。