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黒い薔薇(ごちゃ混ぜ短編集
第7章 今宵の月に【太宰治】
治「泣くほど嫌かい?」
涙を拭い、太宰さんの手を握る
『莫迦ですね、嬉し泣きですよ』
握り返されたその手に
口付けを落とす
『私も、私も好きですよ太宰さん』
私の頬に手を添える太宰さん
親指で涙を拭われる
治「接吻なら此方だろう?」
唇にされた優しい優しい接吻
窓の外は暗い
だがそんな漆黒の闇の中で
月は美しく輝いていた
私達は愛し合う
《今宵の月に》見守られながら
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