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迷い道クレシェンド【HQ】【裏】

第109章 【番外編】写真とリアル


「なんで教えてくれなかったんですか!」
「や…大したことじゃねえだろ…」
煙草を消しながら言う繋心さんは、私と目線を合わせない。
照れている…。
「よかったです、日向くんが教えてくれて…買い逃すところでした…!」
「別に買わなくても送ってくれるし…」
「綺麗に保存したいからいいですぅ、繋心さんのお部屋にあると煙草のにおいも移りますしぃ」
ツンとした態度で本を紙袋から出してまじまじと眺める。
プロのカメラマンさんが撮影した繋心さんは、とても格好いい…。
全国男女問わず老若男女が私のライバルになってしまう。
雑誌は私が買い占めてしまうべきだったかもしれない。
眉間にぐっとシワを寄せながらそわそわと写真を眺める。
「大体写真なんてたまに撮ってるだろー」
「クオリティが全然違います…」
「それに腹割って話してんのはるるだけだし」
「でも真剣にこういうのに応えてる繋心さんも好きなんです…」
「そもそも本人がいるだろうが!目の前に!」
「そ、それとこれとは話が違います!」
両手で頬を抑えられ、じっと見つめられる。
好きが故に顔を直視するのがたまに苦しい。
ドキドキと一緒にきゅんとしてしまう。
「これ読んだみんなが繋心さんのことを好きになってしまったら、私困ります……」
「そんなこと考えてる物好きはお前くらいしかいねえよ」
おでこをピンと指で弾かれ、いた!と目を瞑る。
その隙にちゅ、と優しく唇を重ねられ、顔がぶわっと熱くなる。
繋心さんも恥ずかしかったのか、ムッとしたまま私からまた視線を逸らした。
「もう、寝る…」
「ま、待ってください…!」
立ち上がって離れようとする手を掴んで、勢いで引き止めてしまう。
「このまま、ですか…?」
もうどきどきしてるのが抑えられなくて、写真と本人を何回も見比べながら聞く。
(やっぱり、本物が、好きだな……)
困ったように照れながら手を繋ぎ直してくれる。
触れ合うことが心地良い。
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