第84章 【番外編】狼なんて怖くない
抜こうとしたところを、がっちりと腕と脚で固定される。
「うぉ!?」
「ぁ、は、けーしんしゃぁん…っ!」
呂律の回らない口から、だらしなくまた一筋流れる。
「しょーがねえな…」
額に口付けし、少し体勢を整えた。
「んんぁ、あ、も、きもちぃ……」
繋がったまま、少し動けば小さく達するのかナカがまた痙攣する。
「はぅ、も、いってるぅ…!」
「俺がイくまでに何回イくんだ」
「わ、わかんにゃいっ、あ、んっ!」
服ごとぎゅっと背中を握られ、変な感情が生まれる。
愛情とはまた別の何か。
壊してしまいたいという獰猛さや、泣かせてしまいたいという加虐心や、このまま俺なしでは生きてさえいけなくさせてしまいたいという独占欲のようなもの。
それが渦巻いて快楽に繋がれていく。
もしもこれが赤ずきんの童話なら、自分は間違いなく狼だろう。
満月が煌々と室内に灯りをもたらす。
そうなると、狼男だろうか。
女を貪るその影は、まさしく獣のようだとすら思った。