第77章 【番外編】甘えて欲しい
抜かれた隙に逃げようと腰を引いたところで捕まり、後ろを向かされる。
「ら、らめ、らめっ、いまうしろからはあぁあっ!!」
「うっせ」
「ぁあっ!!」
もうほとんどの力が入らなくて、がくがくと膝が震える。
四つん這いでいることすら耐えられない。
ちっ、と舌打ちされ、もうぐったりとしてしまった身体をクッションに戻され、向き合う形でまた挿入ってくる。
「ぁあ……」
反射で声が漏れる。
そのままぴったりと、奥の口に付けられ、円を描くように腰を動かされる。
「ふ、ぁ、ああぁっ!!!」
離れないように手首をがっしりと捕まれ、ぐいぐいとソレの頭が私のイイところを押し潰す。
「んんんっ、く、ぁっ!!」
はーはーと肩で息をして、またすぐに来る波を受け入れるしかない。
「はぅ、も、いってるかりゃあっ!
や、やめて、やめてぇええっ!」
何十回目かわからない絶頂に、頭がふわふわとしてくる。
繋心さんの苦しそうな顔を見て、やっと、解放されると、冷静な頭が思った。
どくどくと口の中に苦味と卵白のような生臭さが広がる。
「あ、ぅ……」
こくりと飲み干し、さっきまで体内にいたソレを綺麗に舐め、ちゅうっと尿道にあるモノも吸って飲む。
いつもこんなことさせないのに。
不思議に思いながら、倒れこんでくるその人に腕を回す。
「どう、したんですか…?」
「………別に」
もしかして。
「ぁ、最初の甘ったれは、本気で…」
言いかけたところで、私の言葉が飲み込まれた。
また優しいキスをされる。
散々果てた私の身体は、それすら反応して、来る波に備える。
「んん!も、だめ、…っあ」
「朝まで付き合え」
「!?」
何度か逃げようと試みたけれど、それも叶わないまま、次に目が覚めたのはお昼過ぎだった。
次は甘やかさないようにしよう、と脆く崩れそうな決意を固めて、その人を改めて可愛いと思った一夜。