第75章 【番外編】水着のお姉さん
繋心さんは、短パンのポケットからスマホを出すと、私に見せてくれた。
「ほら、続々と感想のお便りが来てるだろ」
画面のメッセージアプリには、皆のお礼でギッシリだった。
ちょっとは、役に立った、かな?
「……もぅ、これっきりですからね…」
「満更でもねえ顔しやがって。
これっきりなのはこっちもだ」
そうやって、小さいことで妬いてくれるのは、何よりも嬉しくて、さっきまでムカムカしてなのが嘘のようで。
ぎゅっと思いっきり抱きつく。
「ばっ、おま、携帯!」
「あっ」
繋心さんは慌てて乾いた地面にスマホを投げながら、プールに私と一緒に落ちた。
びしょ濡れになりながら、笑って、蕩けるようなキスをして、振り替えったらなんとなく楽しかったと思った。
水着を脱がそうとする手を慌てて止めて、
「ここは、やだっ」
と文句を言う。
「隠し撮りで抜くってぬかしたやつらに報復してやろうと思ったんだが」
ちっ、と笑いながら舌打ちされる。
「報復?」
帰り支度を漸く始めながら、なんとなく気になって聞いた。
「もっと過激なやつ」
「私ここ来れなくなりますっ!絶対止めてくださいね!?」
じょーだんだ、と付け加えて、先生に鍵を返して、私達も帰路を辿った。