第8章 スポットとお赤飯
スマホのアラームが自室から聞こえてくる。
そのままるるの部屋で寝てしまったのを思い出し、起きようとすると、となりで寝ていた彼女が目を覚ます。
「…はよー」
「っ!!」
恥ずかしかったのか、すぐに布団に隠れた。
「んだよ、いつもシてたろ?」
「だ!だって…」
そんなにヨガったのが恥ずかしいのか、頑なに掛け布団を開けさせてくれない。
無理やりひっぺがすと、真っ白い肌が朝日に照らされた。
「!!」
「はよー」
「おはよ、ございます……」
「もう一発シたくなるな…」
「だめ!ぜったいっ!」
布団を奪い返すとるるは不貞腐れて寝始める。
「言うだけはいーだろ、ったく……」
脱ぎ捨てた部屋着のかわりのジャージを拾って着る。
さて、自室に戻るかと部屋を開けきると、運悪くお袋さまがいてこちらを睨んでいる。
「起こしてやっただけだよ、車乗っけてやるって……」
「まだ何も聞いてませんけど?」
「朝からムカつくなー……」
自室のスマホを止めて、今度こそるるを起こしに行く。
納品ついでに烏野の裏まで乗っけてやると、やっと機嫌を直したのか、いってきますと頬にちゅっとキスをしてくる。
あーかわいいなー…と姿が見えなくなるまでなんとなく思いながらその場にいた。
お袋サマは相変わらず顔を合わせると睨み付けてくる。
なんなんだよ、と悪態をつきながら店番をしていた。
その日の夕飯はお赤飯だったのは、言うまでもない。