第57章 【番外編】円環
肩口で、くぐもった掠れた声を聞くと、それに釣られて私も果てる。
全身の痙攣が止まらない。
彼の揺れる髪ですら、今の私には凶器にしか思えない。
「やぁっ!!うごいちゃだめ、っ、あっ、あっ、ひぁあっ!!」
「無理ゆうな、って…!」
「はぁ、はっ、あぁ、いく、いくぅっ…」
あまりの気持ちよさに、涙が流れていってしまう。
せっかく可愛く出来たメイクが流れるのが、寂しい。
どくん、とゴム越しに出ていくのがわかる。
体内があまりにも敏感で、緩やかにまた硬度が増していくのが気持ちいい。
「るる…」
「は、ぁ、ごめんなさい…っ」
「るる、口下手だし、テレるから不安にさせてる…」
「あっ…」
「でも、一生、好きだから」
あまりにも嬉しい言葉。
掠れた低い声でそんなことを言われて、生理的な涙が嬉し涙にかわる。
また新しく交わりを始めると、お腹の奥がきゅっと縮んだ。
「あうっ、いつも、かわいくないの、ごめんなさいっ…!」
「んなこと、ねえよ…!」
「あっ、あ、わたしも、繋心さん、だけだからっ!
だけっ、だからぁ!」
激しくなる律動に、途切れ途切れに言う。
「もっと、妬け…!」
「やぁあっ!いつも、くるしいのにぃっ!」
「もっとだ」
「わたし、かわいく、ないからぁっ!
だってぇ、ひとりじめしたいって、いつも…!」
「最高だな…っ」
いつでも可愛い綺麗な私でいたいのに、そんなこと言われると、甘えたくなる。
もっと、穢い私も見てくれるんだって…。
優しくて、好きなひと…。
余裕なかったお互いが、すぐに同時に果ててしまうまで、あと、少し。