第11章 おやすみも おはようも 君と
「ほら、横になって」
「…ん、一緒に……隣で……」
「うん、いるよ。
エルヴィンの隣にいる。
分かる?」
「うん…、ナナバ、手……
放さないで…」
「安心して。
眠るまでずっと、
ううん、朝までずっと繋いでるよ」
よかった…
「そうだ。
よく眠れるように、おまじない」
ちゅ
今のは…頬……
「怖い夢も、悲しい夢も、見ないよ。
大丈夫、大丈夫だからね」
ちゅ
今度は額に…
「最後。
素敵な夢が、見られますように」
ちゅ
瞼…
最後……
「ナナバ……」
足りない。まだ足りないよ。
「さ、そろそろおやすみの時間。
ココは…
おはようの時にね」
…あぁ、気付いていたんだ。
うん、そうだ、明日……
「あし、た……おきた、ら…君に……」
おはようを言うんだ。
一番に。
それから、ぎゅっと抱き締めてキスをする。
いや、君からしてくれるんだったね。
だって、おはようの時にココにしてくれるんだろう?
大好きな君からのキス。
「おやすみ、エルヴィン。
また朝に、ね」
また…
「うん…おやすみ……」
また、君に会える。
朝になれば、大好きな君に。
それまで、おやすみ…
でも、やっぱり…
夢の中でも会いたいな。
いいだろう?
Fin