第3章 受験必勝法
練習終わり、私はいつものように体育館倉庫でボール点検をしていた
部員たちは、先に部室に行って着替えている
私もこれが終わったら、急いで着替えなければならない
「....っと....全部あるかな~....」
大体数え終わったところで、私は息を着く
大変だけど、やっててやりがいがあるし、なにより、楽しい
色んな先輩が居て、後輩、同学年の奴とも仲良くなった。そして、賢二郎が居てくれる
_____幸せだ
そう思っていると、後ろから"春華?"と名前を呼ばれる。この声は...
「なに?賢二郎...?」
白布「いや、まだここに居るかな?って思って」
「あー、いま終わったとこ。すぐ着替えるね」
そう返事をして、体育館倉庫を出ようとすると、すれちがいざま、右手を捕まれた
「?」
白布「.......」
賢二郎は黙ったまま何も言わない
どうしたのだろうか
「どうしたの...?」
聞いてみると、賢二郎は案外すんなりと話してくれた
白布「.....春華が足りない....」
「えっ...?」
気づいたときには、私の体は賢二郎の腕の中だった
「ふふっ...かわいい...賢二郎...」
からかいながらそう言うと、"うるさい"と言いながら私の唇塞いだ
「んッ......」
触れるだけのキスで、唇が離れると私は"な、なな!いきなり!"と動揺してしまう
初めてではないが、やはり、少し恥ずかしい
多分、私は当分慣れないだろう
でも賢二郎はそつなくこなすので、すこし悔しい気もする
白布「...可愛いのはどっちだよ...」
そう言って、動揺する私の頭を撫でて笑った
「ばーか!」
私は、せめてもの抗議をした
白布「そういえば、もうすぐテストかぁ...」
いきなり話が飛んでビックリしたが、"そうだね!"と相づちをうつ
確かに、もうすぐ期末。憂鬱だ
「あー...順位落ちそう...」
私は、ふと呟く。ソレを聞いて、白布が答えた
白布「まーさ、馬鹿正直にやれば大丈夫でしょ」
ソレを聞いて、私は目を見開いた
_____"馬鹿正直にやる"
私たちにとって、魔法の言葉かもしれない
「そうだね」
2人の間に笑いが生まれた
end.