第3章 受験必勝法
白布「...池田さん...?あっ、やっぱりここに居た...」
思わず私は、肩をビクつかせた
白布「...驚かせちゃった?ごめん...えっと...先生は...?」
白布の手には、英語の教材が握られている
「あー、森元せんせー居なくてさ...つい、高校のパンフレット見ちゃってた...」
"ははは..."と笑いながら、私は白鳥沢のパンフレットを閉じて、もとの所に戻そうとした
白布「あ!白鳥沢のじゃん」
そう言って、目を見開く白布
私は、"あぁ、うん。"と何となく返事をした
そして、白布がいきなり語り出した
白布「俺さ、男子バレー部だったじゃん?それで、白鳥沢中の試合見てて思ったんだ...。強い連中の集まるところで、強いバレーをやりたいって...でも、推薦なんて貰えないし、自力で行こう...って思った。」
中高一貫の白鳥沢は、中学の人がそのまま高校に持ち上がる。だから、ココを専願にしたのか...
白布の目には何か強い意志があるのが分かった。そのくらい鋭い視線...私は、思わず固まった。
私なんかよりしっかりした理由だった
その決意も、羨ましいと思った
「そう...なんだ...でも全国って凄いね!書いてあった」
そう言うと、ハリつめた空気が少し緩んだ気がした。そして、白布ははにかみながらこう言った
白布「でも、スタメンの人全員がスポーツ推薦だし、試合に出れるかさえも分からないけどね...」
そう言う白布は何処か悲しそうだった
その顔を見て、私は、思わず口を開いた
「行けるよッ!...それだけしっかりした目標があるんだ。きっとスタメン入れるよ!初心者が何だって思うかも知れないけどさ、勉強と同じで、馬鹿正直にやれば、実力も付くし.....えっと...だから.....」
だんだん言葉がまとまらなくなってきた
自分でも何言ってるのか分からない。
___何言ってんだろ.....
私は、白布の冷たい言葉を覚悟した