第2章 中編
どこまでも続く、青い海。
その美しい景色を、ユーリはぼんやりと見ていた。
そして視界に映った一隻の船。
その船に乗ってる人物に、身に覚えがあった。
…あれは、ローと…いつかの麦わら帽子を被った人だ。
二人は何かを言い争っているようにも見える。
そんな様子を暫く見ていると、不意に視界が暗くなった。
突然現れた不気味な生物。
真っ黒な球体の形をしている化け物。
ユーリは嫌なオーラを感じて、身を震わせた。
そして二人を攻撃し始める。
暫く激しい戦闘が続いたが、なぜだがまだ二人が言い争っているように見えた。
…?
そしてローが徐に青年の胸に手を突っ込んだ。
…こんな役目押し付けて悪りぃな
麦わら帽子を被った彼は、化け物へと突っ込んで行った。
…馬鹿野郎がっ!
どこからともなく聞こえてきた、苦しそうな声。
ユーリは何が起きているのか分からず、目を見開く。
そして強い光が当たりを照らした方思うと、あの化け物は居なくなっていた。
船に残っていたのは、ロー1人だけだった。
その時の彼の表情を、私は忘れることが出来なかった。