第2章 中編
ローはユーリが意識を失った瞬間、白濁の体液を流し込む。
そして漸く我に返ると、目の前のユーリを見て眉をひそめた。
ロー自身も、何時からか分からないが我を失っていた。
それ程までに、彼女との性行為は凄まじい快楽をもたらす。
ローはそっとため息を吐くと、ゆっくりユーリの体内から自身を引き抜いた。
そして自身の身なりを整え、ユーリの身なりを整える。
回復を使わなかったのは、ユーリの身体に己の存在を刻み込んでおきたかったからだ。
何処までも未練タラタラな自分自身に嫌気がさすが、もうこれで最後だ。
ローはユーリの首筋に触れると、契約を破棄した。
ユーリの首から消えた魔法陣。
ローは名残惜しいのか、暫く魔法陣のあった場所を優しく撫でていた。
最後に見た彼女の笑顔が脳裏から離れない。
一体どこまでお人好しなんだ。
ユーリはただ、振り回されただけなのに。
ローは再びため息を吐いた。
「……愛している。……悪かったな」
そして暫くするとローは立ち上がりポケットのコインに触れ、静かにそう呟いた。
本来はユーリが起きている時に伝えなければいけない言葉。
だけどローは、刀を手に取ると、扉を開けて宿を後にした。
…忘れなければいい。おれが与えた痛みも、快楽も全て
ローはゆっくりと夜道を歩いて行く。
行き先は既に決まっていた。