• テキストサイズ

アネモネの夢

第1章 アネモネの夢00~50


一応軽く関係性を説明したら何かに納得したような表情をされました。絶対誤解されてる気がするけど気にしないです、事実無根の誤解は訂正しようがないしムキになるほど思い込まれるんです。
ちょっと遠い目してたらぽんっと頭に手が乗って雹牙さんがわしわしと撫でてくれました。八割くらいこの手の感触に馴染んでるなぁと思いながら、大人しく撫でられていると管理人さんからの聞き取りは終わったようで竹中さんが戻ってきた。
改めて鍵を開けて自動ドアを潜るとエレベーターに乗って自室へ向かう。
途中で郵便受けを確認するのも忘れない。日課だからね。

「おい、それはなんだ?」
「え? あー……そういえば、これ忘れてましたね。今週の初めくらいから毎日一通届いてるんですよ。真っ白な宛名も差出人もない封筒。盗聴とか色々怖いんで、防音聞いてる金庫に放り込んでました」
「藍羽君はなかなか肝が据わってるようだね」
「そうですか? でも、まぁ、ドラマの見すぎかもしれないですけど、社長秘書目指した時点でタフじゃないとって思ってはいますけど。未開封で警察に持ってって開けて貰えば良いかなって思ってたんですよね」

玄関までの道で手元の手紙をより分けていたら、横から手が伸びてきてここ最近毎日見ていた封筒を攫っていった。
雹牙さんが眉間にしわ寄せてますが、金庫に放り込んだら何も出来まいと思ってたから全くもって忘れてました。のんびりと考えてたことを言ったら凄い顔で睨まれた。後でお説教コースらしいです。
そんなこんなで玄関に辿り着き、部屋に招いてお茶を出しつつ金庫から封筒を出して渡すと雹牙さんが盗聴盗撮関係をチェックしている間に竹中さんが封筒を開けていた。
中からはパパラッチにでも撮られたのかという写真が出てきたけど、雹牙さんとのツーショットではないらしい。私のシングルショットのみだけど、それは結構さまざまな場所で行われていたようで一日の行動が追われているのが判った。

「ふーん? 何が楽しいんですかね」
「お前は危機感を持て」
「本当に君は面白い子だ。これ、僕が預かってもいいかい?」
「あ、はい。今後もまた金庫に溜めておけばいいですか?」
「うん、そうしておいてもらおうかな。定期的に雹牙君に渡しておいて」
「はーい」

竹中さんの言葉にのんびりと頷いた私は、その後しっかりと雹牙さんにお説教されました。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp