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アネモネの夢

第2章 アネモネの夢51~99


99【完】

挙式も終わり、今日は尼子の近くにある新居のリフォームが終わったと聞き、引越しの業者に荷物を運んでもらって荷物を設置していれば
仕事が終わったのか百合が帰って来て、そのまま待ったをかける。確か百合はまだ、挙式をしてからこの家に入った事無かったな。

玄関の前で首を傾げる百合に笑って、外に居た百合を抱き上げて家に入り、靴を脱がせてリビングに降ろしたとこで、顔が赤かった。

「ひょ、ひょうが、今のなに」
「新婦が躓くと縁起が悪いそうだ」
「市ちゃん情報?」
「ああ」

荷解きは済んでると言えば驚いた様な顔をされて。まあ、それくらいは俺でもできる。
夕食は作ってあると言いながらあれこれ温めて白飯をよそっているとくう、と小さな腹の音が…百合か。

本人は顔を真っ赤にして着替えて来ると言って誤魔化して逃げた。飯冷めるぞ。

「今日は良い魚を持って来た奴が居てな」
「え、和食だ。美味しいー!」

煮物を作ってみたと言えば美味しい美味しいと嬉しそうに食べる百合の頭を撫でて。
いつから百合の頭を撫でる様になったのだろう。

最初は無意識行動だと思っていたんだが…

美味しそうに食べる百合の顔にホッとして自分も食べてみる、だいたい百合の好きな味にはなってると思う。

「百合」
「うん?」
「新婚旅行どこか行きたいところはあるか?」

今はどこにでも行けるんだな、と。揃えたパンフレットを眺めていればご飯先にたべよう、と。
ああ、すまん。行儀が悪かったな。

実は有休を取っていてなと言えば、百合も同じ日に休みで。

新婚旅行で温泉にでも行こうかと提案すればこくこくと頷かれた。良し、ならこれから準備をしておこうか。


熱海に2人で赴き、何と言うか初めてだと思う。俺がお市様と離れて旅行に行くというのは。

目を閉じれば、昔ここに来た記憶が蘇る。建物は異常に増えていて…

旅館の風呂は部屋の外側に設置されていて、これの他に大浴場があると言うのでのんびり入ったり出たり
楽しそうな百合に楽しいかと問うてみた

「雹牙が居ればどこでも楽しい」
「お前な」
「本当の事だもの、雹牙が居てくれれば。私凄く幸せ」
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