第4章 Sugar4
「りゅーじさーん。」
「・・・」
流司さんが拗ねた。
まるで、欲しいものが買って貰えなかった時の子供みたいに。
あ、でも、そういうところも可愛いから。
「流司さん?」
彼の顔を覗き込むようにして見ると、顔をプイっと背ける。
可愛過ぎか。
「なんで、拗ねてるの?」
「・・・」
口を尖らせてる。
だから、可愛過ぎかっ!
私、なんかいけないこと言った?
ソファーに座る流司さんの隣に座って、肩に頭を乗っけた。
「りゅーじさーん?」
「・・・」
「りゅーじくーん?」
「・・・」
ダメだ・・・。
耳、なくなっちゃったのかな?
スマホを持ってメッセージアプリを開いた。
ある人のアイコンを押し、通話ボタンをタップする。
ついでに、ビデオで。
何コール目かで、相手の顔がスマホの画面に映し出された。
「心羽ちゃん?どうした?俺が恋しくなった?」
「あ、麻璃央さん。この状態どうすればいいですか?」
「ガン無視!?」
麻璃央さんの変な言葉をシカトして、膝を抱えてプイっとする流司さんを見せた。
「もしかして流司、拗ねた?」
流石麻璃央さん。
この状態を見ただけすぐにわかるなんて・・・。
「え、てか・・・えぇっ!?」
「うるさいです、麻璃央さん。」
「もしかして・・・より戻したとか言わないよね?」
言っちゃいけないのかよ。
「流司さんが拗ねた時の対処法、教えて下さい。」
「またシカト?まぁいいや。」
いいのかよ。
なら、言わないでもらえるかな?
めんどくさいから。
「構ってあげれば?」
「え?いや、さっきからずっと話しかけてるんですけど、返事してくれないし、こっちも見てくれないんですよ。」
「根気よく!そのうち流司も折れるから。あ、ビデオ切って?」
よく意味がわからないが、ビデオを切って通話口を耳にあてる。
「甘えるようにね!じゃ、頑張って!」
そう言って、一方的に通話を切られた。
頑張ってって・・・。
もう、心折れそうなんですけど・・・。
「ねぇ、流司さん?」
再び、彼の肩に頭を乗っけて、指を絡ませた。
実践あるのみ、だ。