第15章 Sugar15
「心羽ちゃん!どうだった?」
「ちょっとうるさいです、麻璃央さん。それで、なにがですか?」
稽古場に来て早々、麻璃央さんに話しかけられる。
「なにがって・・・お互いの両親とご飯食べたんでしょ?」
「あぁ、それですか。てかなんで、私がご飯作んなきゃいけないんですか。最初からハードル高過ぎです。」
とても有意義な時間だったけども。
「心羽ちゃんが作ったの?それは大変だったね・・・。流司のお母さん、キレイだったでしょ?」
「お父さんもイケメンでした。・・・ほら、稽古始まりますよ、行ってください。」
結局、ママがキレイだったか聞きたかっただけ?
でもあの言い方、麻璃央さん会ったことあるのかな。
早く流司さんに会いたい。
さっき別れたばっかりなのに・・・。
稽古中は、ずっと洸くんと宏規くんの観察をしてた。
動きにも合うように、メイクをしたい。
他のキャストのこともしっかり見て、今回の2部の衣装に合うメイクを考える。
まだ実物を見てないから、なんとも言えないんだけど・・・。
メイクのことを考えてると、1日が早く感じる。
もう今日の稽古も終わりだ。
「心羽ちゃん!ご飯行こっ!」
「峻也さん、待ってください、流司さんに連絡します。」
「りゅーくんに電話して?」
ダメだ、可愛い・・・。
峻也さんのりゅーくん、可愛い・・・尊い・・・。
峻也さんに言われた通り、彼に電話する。
流司さんもそろそろ終わってると思うんだけど・・・どうかな。
「はい・・・なに?」
あ、出た。
「撮影、終わった?」
「うん、今家に着くとこ。」
そのことを峻也さんに伝えると、貸してと言われたので、スマホを彼に渡す。
「りゅーくん、これからご飯行くんだけど、りゅーくんも行こっ!」
「場所しだい。」
スピーカーにしてる。
流司さんの声がはっきり聞こえた。
「あそこ、前にも行った・・・りゅーくん家の近くの居酒屋。」
「了解。じゃあ、店の前で待ってる。どうせ俺の方が先に着くでしょ。」
どうやら、ご飯は決定したみたいです。
私まだ、行くって一言も言ってない・・・。
まぁ普通に行くけどさ、流司さんも行くし。
急いで準備をして、稽古場を後にした。