第14章 Sugar14
家に帰ってくると、部屋に灯りがついてる。
どうして・・・こんな時に限って帰りが早いの・・・?
1人になって、ちゃんと考えたかった。
麻璃央さんとのこと・・・。
考えるもなにも・・・ムリだって言わなきゃいけないのはわかってる。
でも私はあの時、なにも言えなかった。
今ここで、彼に助けを求めるのも間違ってる。
自分でしっかり断らなきゃいけない。
苦しい・・・。
「おかえり、遅かったね。」
「うん、ただいま。」
帰って来る間、ずっと考えてた。
どうしたら、彼が傷付かないように断れるか・・・。
断るってことは、どんな風に言っても、きっと傷付けてしまう。
「なんかあった?」
「っ!・・・どうして?」
あからさまに肩をびくつかせてしまう。
どうして気付くの・・・。
「麻璃央くんから連絡あったから。心羽から話し出すまで、なにも聞かないであげて、って。」
ほんとにもう麻璃央さんは・・・どうしたいの。
彼から連絡すると、浮気のこととまでは言わないけど、絶対麻璃央さんとなにかあったってわかるじゃん。
麻璃央さんはそれをわかっててしてると思うけど。
彼がしたいことがわからない。
「言いたくないんなら、ムリに聞かない。」
言いたくないんじゃなくて、言えないの。
言ったら私はきっと楽になる。
でも、反対に麻璃央さんはもっと苦しくなる。
流司さんも苦しむ。
なら、私が誰にも相談しないで断らなきゃいけないんだ。
でも私はそんなに強くない。
「助けて・・・。」
「わかんないままじゃ、助けられるもんも助けられない。」
苦しいよ・・・私じゃなにも出来ない。
相手が麻璃央さんじゃなかったら・・・。
彼は私たち2人にとって、大切過ぎるから・・・。
「浮気なんてしたくないっ・・・でも辛い顔させたくないっ・・・!浮気なんてしたくないけど、キス、しちゃった・・・ごめんなさいっ!ごめんなさいっ、流司さんっ・・・!」
そう言いきったら、視界いっぱいに彼の顔が広がって・・・キスされたんだってわかった。
「それで?俺にどうして欲しいの?・・・っていうか、まだ話ちゃんと把握してないけど。」
どうしてそんな優しい顔するの・・・?