第10章 Sugar10
顔を洗って戻って来ると、ソファーを占領されてた。
座るところがないので、テレビを付けて床に座った。
「ごめん、あれしたくなかったんだけど、我慢出来なかった・・・。」
イラマチオ?のことかな?
「顔にかけられるのも、嫌だったよな・・・。」
別に嫌ではないけど・・・流司さんだから。
「腹、痛い?」
「今は大丈夫だよ。」
「ほんとごめん。」
そう言って、私の腕を引く。
「上、乗って?」
「え、重いよ・・・?」
そう言っても上に乗せられて、うつ伏せになって彼と向かい合うようにさせられた。
そのままぎゅっと抱き締められて、髪の匂いをかまれる。
やだ、恥ずかしい・・・。
髪の匂いかまれるの、こんな恥ずかしいなんて・・・。
「なんかして欲しいことある?まだ今日は終わってないよ。」
あんなことさせちゃったから、なんか他にしてもらうの、気が引ける。
「ツンデレの流司さんがいい・・・。」
「どういうこと?」
「いつもの流司さんでいて欲しい。」
なにも変わらない、彼がいい。
いつも通りにして欲しい。
「あっそ。じゃあ、重いから退けて。」
上から退かされて、床に座らせられる。
なんか寂しいけど、いつもの彼がやっぱり好き。
甘い優しい彼も好きだけど・・・。
座ってテレビを見てたら、急に頭を乱暴に撫でられて、髪がぐしゃぐしゃになった。
酷いなぁ。
「なにすんの。」
「そこに頭があったから。」
「なんだそれ。」
意味がわかんないんだけど。
そこに頭があって、なんでぐしゃぐしゃにする必要あるの。
あ、やばい、きた・・・。
薬の効果が切れちゃったかも・・・。
お腹を抱えてうずくまった。
気付いたのか、彼が優しく腰を撫でてくれる。
「心羽、横なってていいよ。飯作ってくるから。」
私の身体を支えて、ソファーに誘導してくれる。
顔にかかった髪を優しく寄せて、頭を撫でて私を見つめる。
私も彼を見つめ返して、
「ありがと。」
と言った。
それを聞いて彼は軽く微笑んで、キッチンに向かった。
ダメだ・・・流司さんが優し過ぎる・・・。
失礼だけど、優し過ぎて・・・怖い。
いつも通りでいいって、言ったのに・・・。