第9章 Sugar9
謝んなきゃ・・・。
じゃなきゃ、流司さんが泣いちゃう・・・。
私のせいで、彼が悲しむ・・・。
「ごめんさない・・・。広大くんのこと好きになったりしないから・・・流司さんしか見えてないから・・・。」
もうダメだ。
我慢してた涙が、溢れ落ちる。
泣きたいのは、流司さんだって同じはずなのに。
私が泣いたら、流司さんは・・・どこで涙を流せばいいの?
私だけに、貴方の涙を見せて・・・。
「優衣とはもう、話さないから・・・俺のこと嫌いにならないで・・・。俺にはお前しかいないから・・・。」
握った私の手の甲におでこをくっつけて、呟いた。
「嫌いになったりしないから、優衣さんと話していいよ。ただ、私にもたまには、構って欲しい・・・。」
「構ったら、お前が広大と話せなくなると思うけど、いい?」
「どうして?」
構ってくれるのはいいけど、広大くんと話せなくなるとは、どういうことだろうか。
話すなって言ってるのかな?
「俺が構い過ぎて、他のキャストと話す時間なんて、なくなるから。」
「なにそれ。」
思わず、笑いが溢れた。
そしたら、流司さんが優衣さんと話す時間、なくなると思うけど・・・。
「俺、1回お前に構ったら、歯止め効かなくなると思う。」
いやまあ・・・私にとっては、天国だけど・・・。
「いっつも、優衣に言われるんだよ。心羽の話し過ぎって。そんなに心羽といたいんなら、心羽のとこ行けばいいじゃんって、邪魔にされる。」
「優衣さんに邪魔にされる流司さん、面白過ぎ。」
「おい。・・・でもそんなこと言われたって、お前といたら、サスケのキャラがおかしくなる・・・。」
すっごい真剣な顔で言ってんだけど・・・。
まあでも、それはダメだよね。
仕事に支障きたすんなら・・・。
「なら、私といない方がいいのかな?」
「ムリ。もう耐えらんない。」
即答ですか。
嬉しいですけども。
「していい?」
「へ・・・?なんでそうなるっ!?」
服の中に手を入れて、脇腹を撫でられる。
待って、そういう話じゃなかったよね。
稽古中、構ってっていう話だったよね。
「俺、どんだけ我慢したと思ってんの?そろそろさせてよ。」
誘わなかったの、そっちじゃん。