【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第18章 異変
「これは…結婚式当日の朝撮った写真だわ。ちょうど半年前、この屋敷で過ごす最後の記念にって」
嫁入り直前ね?はいはい。それは感慨深いものがあるんだろうね、きっと。男の俺にはあんまそういうのわかんねえけど。
と思いつつ、見ると
「―――」
「ほら。姉様、すごくいい笑顔でしょ」
確かにいい笑顔…
てかマジかわいいんですけど――――っ!?
うっわ…。ヤバい。姉、モロタイプ。もちろん妹も美人の類なんだけど、またちょっとタイプが違う。パーツは似てるけど、だいぶ雰囲気違う…。
やっべ~!マジ超カワイイ!リアルガチにカワイイ!めっさ見ちゃう…。
でも、もちろん記憶はない。当たり前だけど。
なのに
「さすがに覚えてるでしょ?」
「…いえ」
「えっ?…あ、そっか。あなたはこの日の早朝に発ったんだったわね。結局姉様のウェディングドレス姿も見てないのよね…」
ウェディングドレス姿か~…
「さぞお綺麗だったんでしょうねぇ…」
「あったりまえよ!姉様よ?あと十着くらい着て欲しかったわ。どれもステキでもうねぇ~…」
はい、ノロケ始まりました~。つか実姉にここまでベッタリってどうよ。女子的にはフツーなの?男兄弟ではあり得ねぇな、こういう感覚は。
「…で。式の時の写真は?」
「それは最後!」
「…はあ」
見せたいんだか見せたくないんだか…どっちなんだっ?
「あ、でねでね?ほら。これなら覚えてるでしょ。じゃ~ん!姉様の大学の入学式!」
「おっ、着物姿!は~…お美しい…」
「でっしょお?いっちばん姉様がキレイだったんだから!姉様がいっちばん!!」
相変わらずのシスコンぶりを微笑ましく思いつつ
何か
違和感。
実はさっきからずっと感じてる。