【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第17章 お守り
「これはアッチに運んで」
「かしこまりました」
って重ッ!
何入ってんのよ、このダンボール…?
「…。!?」
チラッと中見たらなんか激しくグロテスクなものがッ!ガラスの丸い容器にプカプカと…ッ!!
「お、おじょーさまっ?コレは一体…」
「え?あ~…。懐かしいなぁ、これ。研究で作った標本よ。キレイでしょう」
「…」
キレイ…
とかいう形容詞絶対出てこないグロさなんですけど!?
てか、何これ…。虫?虫だよね、どう見ても。それもアレだよ、蝶とかのキレイ系なヤツじゃなく、なんかよくわかんないウネッとして、ぐちょっとしてそうな、昆虫の幼虫らしき物体X。しかもなんか…デカくない!?カブトムシの幼虫よりはるかにデカイよ!?モスラの幼虫!?
ってなモンの、ホルマリン漬け。
「これ飾っとこーっと♪」
「えっ」
「なによ。文句ある?」
「いえ…文句というか…」
「なーに。ハッキリ言いなさいよ」
「えー…。その。一般的に、ですけど、女性の部屋にこのような飾りというのはいかがなものかと…」
「え?別に変じゃないでしょ、ホルマリン漬けのひとつやふたつ。どこにでもあるわよ」
「…」
ナイでしょっ!?絶っっっ対ねーわそんなもん!やっぱこの人…変!!
「ホルマリン漬けにしても、まだ親知らずくらいならわかりますが…。やはりこういったグロテスクなものはちょっと…」
「親知らずぅ?そんなの飾んないわよ!どこの恥ずかしい人?それ(笑)」
「…」
ココの恥ずかしい人です。ええ。飾ってますとも。
って、ぜってーコレよかマシだから!全然かわいいから、俺の親知らずたちッ。