【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第14章 clean up
たださ
俺だってさすがに気付くよ?
君の俺に対するその態度は、ただ単にシスコンってだけじゃない。
「…」
「…何よ」
少なからず、悔しかったんじゃない?君が。
俺が
君じゃなく、姉の方にぞっこんだったから。
世間一般で言うところの、ヤキモチ、妬いてる状態でしょ、まさに。
違う?
「ご安心くださいませ、お嬢様」
「何がよ」
「私は今、あくまで美羽お嬢様の、執事でございますゆえ」
「な、なによ、急に…」
「他の誰にもおつかえすることはありませんので。ご心配なく」
「…」
「ですから。ヤキモチを妬く必要はございませんよ?」
「…。ハッ。だ、誰がヤキモチ!?ばっかじゃないのっ!?ていうか顔っ!近いわよっ!!」
そんな顔真っ赤にしてな~に言ってんだか。この純情少女が(笑)。
ま、好きだけどね、そういう素直な部分。いや、小憎たらしいとこも、かな。うん。
案外ハマッてるよ?俺。実は。この数日間彼女を見守ってて、素直に執事やれる自分がいるもん。マツジュンの言葉じゃないけど、本気でムカつく相手にはできないって、やっぱり。夢とはいえ。
なんていうか、何でも自分でできちゃう器用な子より、ちょこちょこ世話が焼けるタイプの方が目が行くじゃん。心配だから。で、そうなるとまあ、自然と意識は持ってかれてるわけで。単に目が離せないとも言うが。
ま、結局のところアレだよ。
…かわいいなぁ、と。
うん。
少なからず思ってます、わたくし。
ま、妹みたいな感覚だけどね。