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【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~

第14章 clean up



「大変お待たせいたしました」
「ホントよ。もう一刻も早く渡せる状態にしたいのにっ。ぐずぐずしないでっ」
「申し訳ありません。…そうだ。お嬢様」
「なによ」
「“翔”でも構いませんよ?」
「…え?」
「いや、ふと。その方が短いかなって」
「…。そんなの、呼べるわけナイでしょっ!?」
「え」


どうやら姉の方が俺をそう呼んでいたらしい。もちろん執事の呼び方は主の自由だが、慣例としては名字呼び捨てだっただけに、やはりちょっと特殊なカンジだったようだ。そして妹の目から見ても、二人はかなりイイ雰囲気(?)だったらしく…。


「…執事の分際で主とどうこうなろうだなんて…おこがましいにも程があるわよっ」
「…」

いや、思ってないって俺は。ま、姉の方に直に会ったらわかんないけど。ていうかそろそろ顔くらいみせて~。いいかげん気になるから~。キーパーソンじゃなかったのかな~…。


「大体、姉様がアンタなんて本気で相手にするわけないんだから!チョーシに乗んないでよねっ?」
「…」

ストレートに毒吐きやがんな、この小娘…もとい。美羽お嬢様は。いかんいかん。ついウッカリ松本の反発癖がうつってしまった。

もちろんこの俺は、チョーシどころかいまいち波にも乗れてないけど、姉の美月とは歳も近くてか~なり仲良かったらしいね、過去の俺。執事の櫻井翔くんは。相当綺麗な人らしいしねぇ、お姉さん。その記憶は残念ながらマッタクないんですけども。


「ホントは悔しかったんでしょ?姉様があなたを捨てて結婚しちゃったから。ふふーんだ。残念でした~」
「…」

ホントも何も、記憶がないから悔しいとかではないんだけど…

とりあえず今、おまえには少なからずムカついているぞ、小娘。いや、お嬢様。


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