【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第9章 優秀な泥棒
松「オマエも他のにしときゃな~。そしたらきっと、こ~んなオオゴトにはなんなかったぜ?」
男「…他のって…」
松「他にいくらでも金目のモンあっただろ?よりにもよって、あの指輪って。運無さ過ぎ」
男「…どういう、ことだよ」
櫻「それだけ特別なものってことだよ」
松「そうそう。時計でも置物でも何でも、もっと高価なもん盗めばよかったのに。ほんっとバカだよ、おまえ」
男「でも、アクセサリー…」
松「だーかーら。盗んだモン売っぱらった金で、新品の買やいいだろ?ちょっとは頭使えよ」
男「…あ。」
櫻「…」
まさか…それも今気付いたの!?
松「大体、中古のアクセサリーなんて普通贈らないぜ?しかも惚れてる女にだろ?それも盗品。あり得ねーから!それに…クドクドクドクド…」
あ~…また始まっちゃった(笑)。
でも確かにマツジュンの言うとおり。もし、これで盗まれたのがあの指輪じゃなければ、こんな騒ぎにはならなかっただろう。ある程度のものなら保険に入ってるだろうし、美羽自身はそのあたり結構アバウトだから。他の貴金属なら無くなってても気付かない可能性が高い。『あら、いつ落っことしたのかしら?』ってカンジじゃない?たぶん。危機感とかZE~RO~♪だから。無頓着というか、無関心というか…。ま、人を疑うことを知らない非常に素直な性格だとも言えるが。
櫻「一番大事なものを狙ったってんなら…君は最高に優秀な泥棒だよ」
ま、その分ハイリスクなのは言うまでもないけどね?