【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~
第19章 回帰
「…そうよね」
「そうですとも」
「…。わかった。じゃ、いよいよ見せてあげる!姉様のウエディングドレス姿!」
「おおお~っ!(パチパチパチ☆)」
…あれ。
なんだ。また…
ちょっと大野さんらしきお相手の話題で目覚めたと思った脳が
また急激な渦に
「っ」
うわ
コレマジやべぇぞ
何か、回ってる…
そしてまたさっきの激痛!!
「ッ!」
「…櫻井?」
「あ、申し訳ありません。ちょっと、眩暈が…」
「大丈夫?…もう。しっかり覚悟決めてよ?眩暈どころか失神しちゃうくらいキレイなんだから、姉様っ♪」
「…」
…ダメだ
相槌すら無理
“ちょっと眩暈”、なんてもんじゃない
直に脳ミソを焼かれてるような熱と痛みが、さらにインクと紙を飲み込んだような、嫌な匂いが頭に充満して
「うっ…」
吐き気。そして悪寒。
全身が勝手に震えるような
寒いっていうより、“痛い”。
すべてがバラバラになってしまいそうなほど何かが疼いてる。
細胞ひとつひとつが好き勝手に暴走し始めてるような感覚
なのに自分では、何ひとつコントロールできない
頭が
カラダが
ココロが