第15章 〜出生の秘密〜
うっ……誰…?
『ごめ……ね…まぁ…あい……るよ』
行かないで……!
ガバッ!……………夢…。
また同じ、最近よく見る夢…。
夢の中で誰かが行ってしまう……。
水晶時計を見やると、AM5:40…。
少し早いけど、準備をして朝食の支度をしよう。
そう思い、ベッドのシーツを整える。
制服に着替え、いつもの淡いピンク色のエプロンを付け、冷蔵庫を覗く。
学秀が指定した食材は、どれも一流の食材である。
フェニックスの卵を割る。
とろふわスクランブルエッグに、タイタン牧場のベーコン焼き。
ユニコーン村の野菜を使ったサラダ、そして、私の手作りパンケーキを乗せたプレートが完成する。
ガチャッ。
『もう朝食の支度をしたのか?早いな。』
自室から出て来た学秀にそう言われる。
『おはよう!学秀。なんか早く目が覚めちゃって…。』
そう微笑む私に、
『美味そうだ!冷めないうちに頂くとしよう。』
そう言って、2人で席につく。
他愛ない話をしながら朝食をとり、学校へ行く準備を整える。
学校までの道を並んで歩く。
ズキンッ……。うっ……。頭の中で映像が流れる。
漆黒の闇に染まりし龍が現れ、E組のグラウンドには、クラスメイトがぐったりと倒れ込んでいる。
『まぁ!まぁ!大丈夫か?』
学秀の声で我にかえる。
『あっれぇ?まぁと浅野君じゃぁ〜ん?
おはよ〜。って、まぁ、どうしたの?顔色悪いよ?』
『カルマ…学秀…。早く、はやく学校に行かないと!!!』
『どうした?いきなり?!!』
『まぁ…、落ちついて?ちゃんと説明して。』
カルマの言葉に落ち着きを取り戻した私は、先程見た映像を説明した。
2人は黙って話を聞き終えると、
『僕は、結界師を従え、E組に向かう。
赤羽!僕が辿り着くまでの間、まぁの事はきさまに任せる。傷一つでもつけてみろ!
その時は僕がお前を殺す。』