第6章 〜氷の剣士〜
『アイスホールド』
『クッ…誰だ!?』
『ヒッ!五英傑だ…!』
『ヒヒッ!さすが浅野君!容赦ないねぇ』
『当たり前だ!僕はどんなザコにも手は抜かない!』
『さぁ、E組の校舎はすぐそこだ!一番に辿りついた者が、今日の一番風呂に入ることにする!』
『馬はずるいぞ!浅野君!』
『来たっ!』
パリンッ…!
『僕らは五英傑!ここに魔王がいると聞いた!隠せば君たち全員、隠蔽罪で牢獄行きだ!』
『お兄様…』
E組全員(エーーーー!!!)
『まぁか…。』
『お兄様、ここに魔王はいません。だから、帰って下さい!』
『ふん…。僕は自分の目で見たものしか信用しない。
たとえ、妹であろうと、嘘をついているならば、容赦はしない!』
『うっ…』
威圧的な目…。お兄様も、私の事…。
『ふ〜ん?浅野君て、まぁちゃんのお兄ちゃんなんだぁ!まぁちゃんに全然似てないから、分からなかったよ〜!』
『ふんッ!僕とまぁは、血の繋がらない兄弟だ!似ていなくて当然だ!
それより、僕らが今日、ここへ来た目的をさっそく行なおう!』
浅野君の胸元から取り出された、エメラルド色の玉。
『これは、魔王にのみ反応し、幾千もの光がそのカラダを貫く、女神カラナから人間に与えられた光のオーブだ!』
『にゃや…』
E組『コロ先生!』
ピカン…!幾千もの光がコロ先生を取り囲む!
光のオーブは対象を絶対に逃がさない。発動したが最後、無数の光がその周りを取り囲む。
光の粒が一斉に魔王を貫く時、魔王のまとう闇のオーラは消し飛び、その真の姿を眼前に現すだろう。
ーカラナの書 2章5節ー
ピシュン…ピシュン…ピシュン……。
【ミス…ミス…ミス……コロ先生は無数の光をかわした。
光のオーブは役目を終え粉々に砕け散った】
………………。