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砂漠の月

第1章 砂漠の月00~70


月子が出した包装は中身が見えないもので、全て同じだった。くじ引き感覚で面白いかと開封まで味を言わなかったのは月子の悪戯心だが、晴久にイチゴが渡ったのは申し訳なかったという風に首を竦めて言う。
晴久は苦笑しながらも美味いから良い、と続きを食べ始め、ふと一枚手に持つと月子を呼ぶ。元親とかすがは途中で分かれたのでもう居らずいつもの四人だけだ。
月子が呼ばれて晴久の方を見ると、ん、という声と共に口元にクッキーが差し出される。

「ほれ、口開けろ」
「えっ……んぅ」
「ありがとな」

訳が分からず月子が晴久を見ると、クッキーで唇をつつかれ催促される。晴久の予想外の行動に反射で声が漏れた月子はその隙間にクッキーを突っ込まれて声を詰まらせると慌ててクッキーを噛んで受け取った。
もごもごと口を動かす月子は、一瞬晴久の指先が唇に触れた気がして顔が真っ赤になるし、市の視線が楽しそうだし、気になることが多すぎてわたわたとしてしまう。
しかし、頓着しない晴久は最近よく見せてくれる優しい笑顔で礼を言うと、月子の頭を撫でてから残りのクッキーを齧っている。
月子がその言葉に照れながら笑みを見せると、市に横から可愛い! とぎゅうぎゅう抱きしめられて真っ赤になりながらも笑顔で帰宅した。
それから週末までは毎日晴久たちとの勉強会をして、自宅で時間に余裕が出来るためちょこちょことお菓子を作っては元親やかすがたちにも気に入って貰えて満足気な月子が居た。
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